魅せる魅惑のボディ、食べるマスク。

 “たべるマスク”の愛称と赤いパッケージがひときわ目立つ、森永製菓の「シールド乳酸菌タブレット」が、全国のドラッグストアやスーパーで爆発的に売れている。2016年9月の発売から、たった1カ月で半年分の売り上げ目標を達成した。これほどのスピードで売れる商品は、同社でもなかなかないという。
食べるマスク

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 明治ホールディングスの「R-1」をはじめとする機能性ヨーグルト市場の拡大とともに、乳酸菌応用商品の市場規模は2015年に6000億円を突破した(総合企画センター大阪調べ)。森永製菓はヨーグルトが日もちせず、持ち運びに不便であることに着目。ヨーグルト味のタブレットに乳酸菌を加えることで、手軽さと健康イメージの両面を訴求することに成功した。

■味への影響を抑え、熱や水にも強い

 「シールド乳酸菌」は、森永製菓との経営統合もうわさされる兄弟企業・森永乳業が発見した独自素材。腸の免疫細胞に働きかけて免疫力を高める、ヒト由来の乳酸菌だ。盾(シールド)のように、外敵から人の体を守ることから名付けられた。インフルエンザの感染を予防する働きも報告されている。

 生菌と呼ばれる生きた乳酸菌は熱や水分に弱い。が、シールド乳酸菌は死菌であり、サラダやとん汁などの加工食品に応用しやすい。

 最大の特長は、少ない量でも効果を出せることだ。「従来は何千億個、何兆個など数の競争になっていたが、乳酸菌は多すぎるとすっぱくなることがある」(森永乳業・食品素材事業部の古田雄一郎氏)。シールド乳酸菌は約100億個で効果を発揮するため、味への影響を最小限に抑えられるという。

森永乳業がシールド乳酸菌を発見したのは2007年のこと。それから7年かけて商品化にこぎ着け、地道な営業努力を重ねてきた。2016年2月、大手食品メーカーで初めて永谷園が採用し、「シールド乳酸菌M-1みそ汁」を発売すると「各社の注目が一気に集まった」

吉野家も導入した

 同年3月、アサイーなどのスーパーフードを手掛けるフルッタフルッタは、主力のアサイー飲料でシールド乳酸菌を加えた新商品を発売した。フルッタフルッタの担当者が森永乳業の営業部員に提案したことがきっかけだった。「アサイーに乳酸菌を加えることは、森永乳業も想定していなかったようだ」(フルッタフルッタ)。シールド乳酸菌が意外な商品にまで拡大していることを物語る。

 9月にはロック・フィールドが展開するジュースバーの「ベジテリア」も期間限定で野菜ジュースにシールド乳酸菌を加えた。また同社が展開する総菜の「RF1」も、11月にポテトサラダをシールド乳酸菌入りのものにリニューアルした。「サラダがもともと持つ健康感を高めたかった」(ロック・フィールド)という。ベジテリアのシールド乳酸菌入りジュースは期間限定だったが、今年に入ってから定番商品に変わっている。

■導入企業は100社超え

 今年1月には牛丼チェーンの吉野家も「とん汁」と「けんちん汁」にシールド乳酸菌を加えてリニューアルした。加工食品だけでなく、中食や外食にも広がったことで、「“シールド乳酸菌”で検索する人が増えて、自社製品へのアクセスが増えた」(森永製菓・菓子食品マーケティング部の老川茜氏)など、相乗効果まで出始めた。

 森永乳業のシールド乳酸菌を導入した企業は100社を超える。強い競争力ゆえに、シールド乳酸菌を含むB to B事業の営業利益率は今2017年3月期の通期計画で6.0%と、連結全体の3.4%を大きく上回る。だが、売上高は910億円と、全体の15%程度だ。今後は海外展開も含め、一層の販路拡大が必要となる。人口減少に伴い国内食品市場の量的な拡大が望みづらい中、森永乳業の未来は好採算のシールド乳酸菌に懸かっている。











引用元:東洋経済ONLINE

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